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親への怒りを発散することから始めよう

花が咲く丘

アダルトチルドレンに特有の心理状態といえば、「親への怒り」を発散できないまま溜め込んでいることだろう。

溜まった怒りは溢れ出て周囲の人を傷つけるが、内側に向かって自分自身を責め続ける刃物のようにもなる。

アダルトチルドレンの人は常に傷ついている。

誰からも、手当てがなされないまま。

その怒りを発散しなければ、自分で自分を傷つける行為をやめることはできないのだ。

目次

親に対して抱いていた怒り

私は子どもの頃からずっと、母に対する怒りを抱えていた。

「幼なかった私に必要な愛情を与えてくれなかったこと」

「孤独感と空虚感に苦しんでいることに気が付いてくれなかったこと」

「この状況を抜け出そうともがいているのに、自立・成長させてくれず、過保護の元で支配し続けようとしたこと」

ずっと抱えていた怒りは、本人にぶつけようにも、響かないし伝わらなかった。

「神経質で、気が強くて、冷たい人間だ」

「どうして普通になれないのか」

そんな言葉が返ってくるだけだった。

だから私は諦めた。何を言ってもダメなのだと。

そして、平穏な心をもった人間であるかのように振る舞い、一見何事もなかったかのように過ごす術を身に付けていった。

内側に溜まった怒りは心を蝕み続けた

平穏を装って生活するようになったけれど、怒りは消えてなくなったわけではなかった。

むしろ生々しく存在し続け、ことあるごとに心の中で燃えたぎるのを感じた。

人の顔を見ただけで、愛されて育った人間か、愛をもらえずに苦しんで生きた人間か、見分けがついてしまう。

愛されて育った人を見る度に、心の中にさまざまな想いが沸きがった。

「私も愛されたかった」

「孤独と不安を味わうことなく、子ども時代を生きたかった」

「愛をもらえていたら、どれほど自分らしく生きられたことだろう」

アダルトチルドレンの怒りは、多くの人には理解されない。

むしろ、大人になっても生きづらさを親のせいにするなんて、甘えているとまで言われることもある。

怒りは次第に自分自身に向かっていくこととなった。

「いつまでも生きづらさを感じている自分はダメな人間だ」

「どうして自分は、普通に生きられないのだろう」

親に対して感じていたはずの怒りは、いつからか私自身の心を突き刺すようになった。

生きることが、どんどん苦しくなっていった。

怒りを発散した方法

子どもの頃から心に居座り続ける、このどうしようもない怒りによって、私の心は蝕まれていた。

生きているだけで苦しかったし、このまま溜め込み続けることに限界が来ていた。

そんな私を救ったのは、「人に話を聴いてもらい、自分の想いをしっかりと受け止めてもらうこと」だった。

人を助ける最後の砦はいつだって、「話を聴いてもらうこと」「ありのままの自分を受け止めてもらうこと」である。

親にも、友人にも、周りの大人たちにも、誰一人理解者のいなかった私は、あまりにも自分の中に怒りを溜め込み過ぎていた。

ギリギリの状況に陥ったとき、たまたまネットで見つけたのが「電話占い」の文字。

そこで私は初めて電話占いというものを体験した。

誰にも言えなかった怒りを発散した。涙ながらにこれまでの生きづらさを語った。

占い師の先生は、私の想いをしっかりと受け止めて、「よくがんばってきたね」と言ってくれた。

その言葉に、どれほど救われたことか。

何度も何度も話すうちに、私の怒りは落ち着き、ようやく「苦しみにたった一人で耐えてきた自分」に「ありがとう」と言えるようになった。

ようやく怒りが落ち着いたと感じるまでに、5年もの歳月がかかっていた。

人に話し、受け止めてもらうことで、こんなにも心が癒されることを初めて知った。

発散するときに気を付けること

話を聴いてもらい、受け止めてもらうことで怒りが消える、という話をしたが、ここで気を付けて欲しいポイントが2つある。

1つ目のポイントは、「プロの人に話を聴いてもらうこと」だ。

アダルトチルドレンの生きづらさは、普通の人に簡単に理解できるものではない。

私もはじめは友達や恋人に話を聴いてもらっていたのだが、上手く伝わらなかったり、甘えだと言われたり、相手があまり理解してくれていないという状況に、虚しさを感じることが多かった。

また、話を聴いた相手も暗い気持ちを抱えることになるので、両者にとって良くなかった。

そのため話す相手は、話を聴くことを専門とするプロに限ることをお勧めする。

相手が専門の人であれば、怒りのエネルギーを良い方向に導くためのヒントをもらえるし、話を聴いてくれたことに対するお金を払うことで、相手に感謝の気持ちを表すこともできる。

2つ目のポイントは、「自分に合った人を見つけること」だ。

話を聴くプロだったとしても、全ての人にアダルトチルドレンに対する理解があるわけではないので、注意が必要だ。

特に電話占いとなると、ただ厳しく現実を突きつけてくる人もいるので、かえって傷ついてしまう危険性がある。

また、専門家だとしても同じ人間同士、相性の良し悪しがあることを理解しておかなければならない。

そのため、理想としてはアダルトチルドレン専門のカウンセラーか、もしくは私のようにアダルトチルドレンに対する理解のある他業種の方を、辛抱強く探すことをお勧めする。

まとめ

アダルトチルドレン特有の、親に対する怒りを発散する方法について述べてきた。

怒りの発散は、アダルトチルドレンが自分らしい人生を送るための第一歩である。

「感謝は良いことである」とされる世の中で、怒りを発散することははばかれるかもしれない。

しかし、自分の心に嘘をついてうわべの感謝をすることは間違っている。

まずは、心から湧き上がる怒りを、自分自身がしっかりと認識して、受け止めてあげて欲しい。

そして「話す」という行為を通して怒りを外に出し、「これまでよくがんばってきたね」と言えるようになってはじめて、ようやく次のステップに進むことができるのだ。

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この記事を書いた人

子どもの頃に受けた傷を抱えたまま大人になった、アダルトチルドレンです。
自分らしく幸せに生きる方法を探すために、スピリチュアルと心理学、両方の視点から勉強をしています。
現在は、会社員として働きながら心理カウンセラーの養成学校に通っています。

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